石川県珠洲市では、静まり返った地域に笑顔を取り戻そうと、27日から営業を再開した飲食店があります。困難な状況は続くものの、市民の交流の場、憩いの場が復活です。

浅井誠さん「夜みんなで鰤、食べようかなと思ってます!」
客「わー」
浅井誠さん「おいしいもん食べんと元気でんよね」
珠洲市飯田町の「ろばた焼あさ井」。楽しそうな声が店内に響き渡ります。

ろばた焼あさ井 浅井誠さん
「あとは器がないとか水がないとかはアレだけど、早く戻ればいいねー」

店主の浅井誠さん(48)。1月24日まで金沢に避難していましたが、急ピッチで準備を進めおとといからの営業再開を決めました。

ろばた焼あさ井 浅井誠さん
「時期的には早いと思っている、そんなに客が来ないのも分かってる。僕らなりの日常を僕らの中で取り戻したい」

これまでにない揺れが店を襲い、店内には食器やガラスなどが足の踏み場がないほどに散乱。さらに断水も続くなど、営業する上で困難な条件はいくつも重なっていましたが…

ろばた焼あさ井 浅井誠さん
「逆に断水がもうしばらく続くよって情報があったことが、逆にじゃあやろうって気持ちに」

紙の食器を使ったり、水をあまり使わないような料理を中心にメニューを変更するなど、工夫して営業再開にこぎつけました。

食事していた男性
「アットホームな感じで来られる方も家族みたいな感じなのがすごく良くて」
食事していた女性
「夜行った時、誰かと話したいんだよっていう方がいて。今だとこういう場が少ない中でひとつでもあるのは集いの場、癒しの場になるかなと」
ろばた焼あさ井 浅井誠さん
「みんな笑顔で楽しんでくれてるのは(これまで)日常だったが、奇跡になってるので、気持ち新たにがんばりたい」

新年会シーズンを襲った影響もあり、損失は1000万円ほどを見込むという浅井さん。それでも珠洲に元気をと、店に明かりを灯し続けます。

ろばた焼あさ井 浅井誠さん
「人口は減るでしょうしね、分母分子で言えば分母がはかなり減ると思う。分子を維持するために店の魅力、珠洲の食材の魅力を今まで以上にアピールしていければ」











