診断ミスにより起きた事故 浮き彫りになった産科医不足の現状
一昨年6月、市立輪島病院で妊婦の女性が「胎盤早期剥離」だったにもかかわらず、主治医が見抜けず、帝王切開しなかったことで、生まれたばかりの赤ちゃんが死亡する事故が起きました。
診断ミスと不十分な情報共有が招いた事故。
当時、奥能登の2市2町をカバーしていたのが市立輪島病院の産科医ただ1人だったことから、奥能登の慢性的な産科医不足が浮き彫りとなりました。
事態を受け、石川県は去年7月に周産期医療のあり方を検討する「赤ちゃん協議会」を立ち上げ、今回のシステム導入にも繋げます。
現場で働く医師が感じることは…
県立中央病院から派遣された常勤産科医 桑原陽祐医師
「やっぱり人が不足しているからこういう事態になっていて、簡単に人は補充できないのは重々皆さんも分かっているところかなとは思う。人手不足の解消にはならないが、少しでも新しい機械の導入で人が少なくても運用できるようなシステムが出来れば、少しは改善が見えてくるのではないか」

母子を守る新たな取り組み。一方で奥能登では現在、市立輪島病院のみが分娩を受け入れられる体制で、根本的な課題は残ったままです。