石川の伝統文化や芸術を広く発信する、この秋一番の祭典「いしかわ百万石文化祭2023」。いよいよ開催まで残すところ3日となりました!
会期は今月14日から来月26日までの44日間で、期間中は能登から加賀エリアまで、151の催しが行われます。このうち関連イベントとして、すでに始まっているものもあります。

世界的人気を誇るアート集団「チームラボ」が、金沢城公園の園内をキャンバスに見立てて、暗闇の中に幻想的な光のアート空間を作り上げる「チームラボ金沢城光の祭」。先月末に一般公開が始まり、県によりますとおとといまでにおよそ2万人が訪れたということです!
◆牛田和希アナウンサー
ところで、兵藤さんその法被は何ですか?
◆兵藤遥陽アナウンサー
実は私、民放テレビ局のアナウンサーたちと一緒に、大会のオフィシャルサポーターを務めているんです!
◆牛田和希アナウンサー
兵藤さんに聞きますが、そもそも「いしかわ百万石文化祭」とはどんなイベントなんでしょう。
◆兵藤遥陽アナウンサー
演劇や音楽、芸術などを発表する場として、毎年秋に開かれている「国民文化祭」と「全国障害者芸術・文化祭」をあわせたものです。障害の有無に関わらず国民の参加や鑑賞機会の充実を図るため、2017年度からはこの2つの催しが合同で開かれています。
また、全国の障害のある人たちが手掛けた作品展は、今月8日から始まっています。なかでも、私はある一人の作品に注目しました。

「できないことが多い自分だけど、その代わり出来ることは一生懸命やる。そうやって、自分を支えてくれる人に恩返しをしたい。その手段が今は陶芸や柄書きという分野だったんです」
こう語るのは、高林真穂さん。2年半前、忘れものが多かったり、片づけを苦手とするなど、不注意や多動性、衝動性を特徴とした発達障害のひとつ「ADHD注意欠陥・多動性障害」と診断されました。
高林真穂さん
「やる気が起きない、家から出られないという時、ノートに絵を描くことだけは当時できた。それを褒めてくれる人がたまたま近くにいて、これなら出来るかもという原体験がありました」
療養中に地元の土産店で出会った九谷焼の美しさに魅了され、今年の春、九谷焼技術研修所に入所。そんな高林さんが手がけたのは、「食卓で泳ぐ金魚」をテーマにした作品です。

「(Q金魚の体と尻尾が分かれているのはどうして?)泳ぎを表現したかった。くっついていると堅苦しいというか固まって見えるんです。自由に泳いでいるのがステキで、食卓という楽しい場を工夫して彩ることができればと思いました」

県立音楽堂交流ホールで開かれている「きらめく個性!全国障害者作品展」では、高林さんの作品をはじめ、全国の障害のある人たちが手がけた絵画や工芸作品など、およそ700点が展示されています。また、会場では白い和傘を思いのままに彩る「オリジナル和傘ワークショップ」にも参加することができます。

ところで「国民文化祭」は、令和から国民体育大会や全国植樹祭などとあわせて、天皇陛下の主要な地方公務である「4大行幸啓」に数えられています。今月15日に開かれるいしかわ百万石文化祭の開会式に出席するため、天皇皇后両陛下は、即位後初めての来県です。実は天皇陛下、石川県の国民文化祭にご臨席されるのはこれが初めてではないんです。
こちらは1992年に開かれた、第7回国民文化祭の映像です。当時皇太子だった天皇陛下が、来県されています。

金沢市の県産業展示館で「国際ガラス展」を鑑賞されたほか、国の特別名勝・兼六園では、石川の茶道の歴史について説明を受けられました。陛下が名園の風情を満喫する様子を一目見ようと、大勢の市民や観光客が集まりました。一方、1994年の全国育樹祭では、ご成婚後、お二人揃われて初めての石川県ご訪問です。式典では昭和天皇がお手植えになったスギの枝打ちをされました。
多くの県民が覚えているのは、こちらのシーンではないでしょうか?

1998年。お二人が白山市の県ふれあい昆虫館を視察された時のこと。一頭のオオゴマダラが、皇后・雅子さまの頭にとまりました。微笑まれるチョウの愛らしい歓迎を受けたワンシーンです。
それから25年ぶりとなるお二人揃われてのご来県。今回のご訪問では、両陛下は国民文化祭の開会式に出席されるほか、全国障害者芸術・文化祭の作品展や県立図書館などを視察される予定です。そして今回、いしかわ百万石文化祭のスペシャルアンバサダーを務める、狂言師の野村萬斎さんからもメッセージが届きました!
野村萬斎さん
「老いも若きも障害があっても心痛めていても、やっぱり生きる力のためにもそういうお祭りで大いに生きる力を再生して頂きたいと思いますね」
15日の開会式や、来月26日の閉会式の総合ディレクターも担う萬斎さん。式典の全貌は明らかにされていませんが、県内では31年ぶりとなる「祭り」の開催を通じ、県民と生きる喜びを共有したいと意気込みます。
野村萬斎さん
「石川県の多様な文化を背負っている方が集まり一同に会してみんなで同じ振り付けをするというか、皆で一体感になって。これこそ文化絢爛であると思いますし、百万石と言うか100万人に思えるようなそういう人が一体感を醸し出すそんな瞬間にしたい」














