「新発見ってこういうこと」取材中にも表出する“様々な症状”

私達のインタビューでもなかなか言葉が出てきません。特に記憶をたどる過去の話や、自分の感情を表現することが難しいようです。

食後の歯磨きでは、歯ブラシを手渡され、仲が良い夫婦のように見えますが、中川さんは自分で歯磨きの支度が出来ません。さらに…

歯磨きは夫婦一緒に

中川さんの妻「歯ブラシこっちに持ってきて」
中川さん「歯ブラシ…?これ?」
中川さんの妻「違う、ここ」

自分が置いた歯ブラシの位置が分からない。記憶障害や見当識障害はアルツハイマー病の代表的な症状です。

中川さんがわかりやすいようにと、電気のスイッチには赤いテープが貼られるなど、家の随所に工夫が見られます。

随所に貼られた赤いテープ

中川さんの妻
「進行が少しずつだから、きょうはこれが出来ないんだな、これが出来なくなったんだなと慣れていくというか。毎日が新発見だというのを聞いていて、夫が病気になって分かりました。新発見ってこういうことだなと」

若年性認知症と診断を受けた後も積極的に外出する中川さん夫妻。毎週通っているテニスチームもその一つです。もともとスポーツ好きだっただけに、ボールを追う姿は楽しそうです。