石川県内にある北陸鉄道の石川線。

この鉄道を存続させるか、鉄道を廃止してバスによる高速輸送システムにするか30日に沿線自治体の首長と知事が話し合いどちらを選ぶのか決まることになっています。

これまで議論されてきた課題について考えてみます。

金沢市の野町駅から白山市の鶴来駅までを結ぶ北陸鉄道石川線。13.8キロの距離を2両編成の列車がおよそ30分で結びます。

年間の利用者数はおよそ89万人で、そのうち49万人が通勤、通学で利用しています。実に半数以上の人が日常的に利用しているのです。

通学に利用している高校生は
「なかったら困ります」
通勤に利用している方は
「雪で電車はなかなか止まらない。バスとかは遅れますけど電車は確実に到着するので助かってます」

石川線の存廃問題は、北陸鉄道の経営難に原因があります。

鉄道事業は昨年度も1億8000万円の営業損失を計上するなど20年連続赤字が続いています。


これまではこの赤字を好調だった高速バスなどの収益で補ってきましたが、コロナ禍で利用者は激減。追い打ちをかけるように燃料費が高騰し、従来の収益モデルが維持できなくなったのです。

このため国や県、沿線自治体などでつくる協議会が石川線のあり方を議論し、石川線を廃止して路線バスに転換した場合、所要時間はおよそ2倍、利用者数も鉄道の半分に落ち込み、社会が被る不利益は年間6億円にもなると推計されたことなどから「石川線の廃止は好ましくない」、すなわち大量輸送手段は残すと結論付けました。

そして、鉄道の存続か線路を道路に整備してバスを走らせるBRT=バス高速輸送システムを導入するかの2つの方法に候補を絞りました。