大手機械メーカーの社長だった男性が、認知症の疑いがあったにも関わらず、入院していた金沢医科大学病院に3億円もの巨額の寄付を行った問題で、遺族が当時の主治医と大学を相手取り損害賠償を求めた裁判が4日、金沢地裁で始まりました。

訴えを起こしたのは、金沢市の大手機械メーカー「澁谷工業」の社長だった澁谷弘利さんの遺族です。
訴状によりますと、澁谷さんは2021年1月、サウナで倒れ、金沢医科大学病院に入院し、2021年5月、大学に3億円を寄付しました。澁谷さんはその後、入退院を繰り返し、2021年10月に心不全のため90歳で亡くなりました。

死後に寄付の事実を知った遺族は、澁谷さんに当時、認知症の疑いがあり、自分の財産を管理できないほど症状が悪化していたにも関わらず、大学が家族に確認しまいまま寄付をさせたと主張。大学と、当時病院長だった主治医の男性を相手取り、2億4000万円余りの損害賠償を求めています。
これに対し金沢医科大学は、寄付は澁谷さんから申し出があり、所定の手続きを経ているとして、請求を退けるよう求めました。

次回の裁判は9月19日に開かれます。