能登半島地震で大きな被害を受けた石川県珠洲市で、総漆塗りの豪華なキリコがまちを練り歩きます。
伝統の「蛸島キリコ祭り」が10日からはじまり、まちは熱気に包まれています。
200年以上の歴史がある珠洲市蛸島町の「蛸島キリコ祭り」。
公費解体が進み更地が広がる街並みに威勢の良い太鼓と笛が鳴り響き、2025年は2年ぶりに金箔などが施された豪華なキリコが巡行します。

例年なら16基のキリコが町を練り歩きますが、地震の影響で住民が町を離れるなどしたためことしの巡行は半分の8基のみです。それでも祭りの開催を住民たちは喜びます。
住民「いやぁうれしいですよ。100%ではないですけどね。でも少しでもやれることはやっぱり良いことだと思いますし楽しいです」「楽しい!」
祭りのもう一つの見どころが、県の無形民俗文化財にも指定されている「早船狂言(はやふねきょうげん)」です。
高倉彦(たかくらひこ)神社の神楽殿が地震で被災し使えないため、今回も蛸島漁港の荷捌き場が舞台となります。
上演を前に最後の練習を行うのは、とも取り役を演じる山王航さん、船頭役の田喜知洸平さんと口上人役をつとめる室谷拓樹さんです。


保育所から高校まで地元で一緒に過ごした同級生3人が早船狂言を演じます。
とも取り役・山王航さん「緊張しているんですけど、自分自身の力を精一杯発揮できるように頑張りたい」
船頭役・田喜知洸平さん「本当は高倉彦神社の舞台でやりたかったんですけど、港で舞台を作ってくれたんで、それに感謝して精一杯頑張りたい」
口上人役・室谷拓樹さん「自分は一番最初に出てトップバッターでするので、そこでバシっと決めてふたりが後から演技しやすいように蛸島の人に元気を与えるような演技をしたい」