県議選に影響した“知事選余波”…「ノーサイド」は本当か?
馳知事は10日の会見で、今回の県議選での自身のスタンスについて「前からノーサイドと申し上げている通りだが、私の心の中では私が知事であるときに民意を得た県議の皆さんとともに丁々発止と是々非々で県政運営にお互い努力をすることが必要だと思っていた」と述べています。
中村記者
馳知事は「選挙になったということが亀裂を生むというのは私の中では全く認識が違う。新人で挑むのは、有権者にとって選択肢があって好ましい」とも答えています。

10日の会見で、当選した県議との関係での懸念について質問された馳知事は、「まったくない」と答えていました。若山教授はどう考えますか。
若山教授
「当事者の方にとっては、自分を倒すために候補者を立てられたということで、心情的にもあまり気分のいい話ではないかなと思います。そうなると今後、馳知事が様々な政策を実施しようということで、議会に議決を求めてくると思うんですけども、そういったところで今回の県議選の影響が出てくるのではないでしょうか。有権者目線で言うと、民主主義という観点でも馳知事に賛成です。やはり前回無投票だった選挙が、今回、激戦になってその中で有権者は、選挙を通じて様々な県政の課題について考える機会がきっとあったと思いますので、そういった点では馳知事がおっしゃる通り、好ましいことだったのかなと思います」
県議選が終わったことで、去年の知事選も終わった。今後はノーサイドと言っていますが、本当にそうなりそうですか?

中村記者
「そう簡単にはいかなそうです。輪島市選挙区で当選した宮下県議は、10日朝、選挙戦で同じ自民党員の知事の対応に怒りともとれる苦言を呈しました。」
インタビューに応じる宮下さん
「馳知事が北村さんを応援するということは当然ありうる話。正直申し上げると例えばお隣(鳳珠郡)の候補の方も入っていたが、その辺はどうなのかな、という思いと、色んな話を聞いたが、本当に本心なのかどうなのかなという多少の思いはある」
中村記者
「煮え切らない思いがにじみ出るようなインタビューでしたが、いわゆる“馳チルドレン”という刺客を送りこまれた能登を中心とした各選挙区では、馳知事の対応に不満の声も多く聞かれました。」
県議との関係性は馳知事の今後の県政運営に影響がありそうですか。
中村記者
「馳知事が熱心に応援した能登地区の3人の馳チルドレンは全員落選していますし、能美市能美郡選挙区では、馳知事が応援する2人の新人に対し、現職が意地を見せ議席を守りました。能登だけでなく加賀でも影響があるとみられます。」