今シーズンも1か月ほど早く漁を終えざるを得ませんでした。
近年の深刻な漁獲量の減少に加え、今年は燃料費の高騰が「イカ漁」にとって大きな痛手でした。

16日、石川県能登町では小木港を拠点とする中型イカ釣り船11隻のうち、8隻が半年余りの漁を終え、港ではスルメイカの水揚げが行われていました。

不漁に加え燃料費の高騰、漁師からは嘆きの声が。
◆第68徳洋丸 平塚秀樹船長
「去年も特別早かったけど、こんな早く漁を終えたのは初めてですね。イカがいないんです。」
「原油が高いのとイカがいないのとね・・・」
「8月、9月は良いのかなと思っていたが、それから全然全くイカがいなくなってしまって、11月、12月は。。。12月はほとんど漁獲なし。こんなの初めて」
1日の漁獲量がゼロの日もあったと話す平塚船長。

今年は外国船の違法操業は少なかったものの、ロシアのウクライナ侵攻による国際関係悪化のあおりを受け、例年許可を受けていたロシア海域での漁ができなかった事が大きく影響したといいます。
関係者からはこんな指摘も。
◆石川県漁協小木支所 白坂武雄参事
「数年前から大和堆近辺で、北朝鮮とか中国漁船の乱獲がありましたよね、段々資源量が減ってきた。当然親が減ると翌年のイカの量も減るんで、そういう影響がいま出てきているんじゃないかな?」

1975年頃には80隻以上のイカ釣り船が操業していた石川県能登町、イカの町小木港。今シーズンは11隻での操業と規模は縮小しています。
近年の水揚げ量は2015年度の5932トンをピークに減少傾向が続いていて、今年度は昨シーズンより25%ほど少ない2000トンにとどまる見込みです。

次のシーズンこそはと期待を持ち続ける小木の漁師たち。
しかし、日本海の漁場を取り巻く不安定な状況は年々、増す一方です。
2年前から「イカキング」で一躍話題となった、イカのまち能登町小木ですが、高止まりする燃料費も追い打ちをかける中、日本海のスルメイカ漁は厳しい状況が続きそうです。
