町野町の祭り
今年も神戸からのたくさんのボランティアのみなさまのお力をお借りして、8/17に曽々木地区の曽々木大祭が無事に執り行われました。
窓岩ポケットパークで花火と共にキリコが練り歩く姿を見られたことを、本当に有り難く思っています。

能登の祭りは特別なもので、今後人々の心の復興に欠かせないものであると感じています。
能登半島地震と奥能登豪雨の二重の被害を受けた町野町では、祭りを再開できる地域が限られているのですが、そのなかで、「もう一度祭りがしたい」と粟蔵地区の方々が、祭りのために立ち上がりました。
粟蔵地区のキリコは、保管場所だった倉庫が全壊し、文化財レスキューのみなさまと地元のみなさまによる救出のあと、能登町の倉庫で保管されていたのですが、そのうち「若連中」のキリコが一基、10月の町野神社の秋季例大祭に先駆け、9/15に粟蔵地区に戻されました。
町野町に戻ってきたキリコは、もとやスーパーさんの駐車場で地元のみなさまによって組み立てられ、集まった人たちによって担がれました。

祭りに合わせて町野神社の仮宮では草刈りと掃除が行われ、祭りに向けた準備が進められています。
キリコを預かっているもとやスーパーの本谷一知さんは、祭りの再開に際し、その思いを語ってくださいました。
本谷一知さん「被災後、このもとやスーパーがある粟蔵区でキリコを出すことはないだろうと思ってました今回どうしても祭りにこだわったのは、地元の方の思いともう一つ町野のお父さんに昔を懐かしみ、被災後にもう1ページ、祭りの思い出を積み重ねてほしいからです。私が子供の頃の大人たちは年に一度の祭りに酔っ払ってキリコを担いでました。それがとにかく怖くてカッコよくて狂ったように太鼓を叩いてました。あの感覚を今度は私達があの時の大人に見せてあげたいと思ってます」
町野町粟蔵地区の町野神社秋季例大祭は、10/4(土)に開催されます。
MRO北陸放送では、被災地の声を集め続ける藤本さんが見つめる被災地の現状をNEWS DIGで、毎月掲載します。
藤本透
シナリオライター。アプリゲーム『ノラネコと恋の錬金術』メインシナリオライター。『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル2』のシナリオ執筆に携わるほか、様々なジャンルでの執筆を手がける。石川県輪島市町野町出身で、石川県を舞台に描かれたアニメ「花咲くいろは」の小説版を執筆。2024年1月1日の能登半島地震発生以降、SNSを通じてふるさとの情報を日々きめ細かく発信している。