なぜ栄養が偏る?被災地でボランティアを経験した管理栄養士が語る実態

災害時の食事というと、おにぎりやパン、カップめんを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。実際に被災地に届く支援物資も炭水化物が中心になりがちです。なぜ、たんぱく質やビタミン、ミネラルが不足してしまうのでしょうか。

森永製菓の管理栄養士であり、過去に広島の土砂災害でボランティア活動を経験した吉本寛那さんは、その理由を次のように語ります。

森永製菓inトレーニングラボ 管理栄養士 吉本寛那さん 「たんぱく質やビタミン、ミネラルを多く含む肉、魚、野菜といった生鮮食品は、長期の常温保存が難しいことが最大の理由です。また、これらの食材を調理するには水が不可欠ですが、災害時には水が貴重で調理まで手が回らない事情もあります。さらに、『まずはエネルギーを摂ろう』という意識から、パンやご飯に偏りがちになることも原因の一つです。」

まずは食べられるものを確保することが最優先となるため、どうしても栄養バランスが崩れやすくなってしまうのです。