志賀原発の安全性は?

能登半島中部に位置する志賀原発。

元日の地震の際、原発は運転停止中でしたが、1号機の原子炉建屋の地下2階で震度5強の揺れを観測しました。この地震で1号機、2号機ともに使用済み燃料を貯蔵しているプールの水が周囲に飛散。また1号機の起動変圧器と、2号機の主変圧器のそれぞれで地震による共振が原因で想定を超える負荷がかかり、配管が損傷して絶縁油が漏えいしました。

さらに2号機ではタービンや発電機が損傷。このほか中能登町の変電所に設置された絶縁装置も損傷し、全部で5系統ある外部電源のうち2系統が現在も使用できない状態が続いています。

石川県議会 盛本芳久議員
「能登半島地震の被害と被災状況に鑑み、1次産業の活性化や今後の交流人口増などを中心とした創造的復興に志賀原発の再稼働は整合しないと考えるが知事はどのような見解か?」
志賀町議会 堂下健一議員
「町長の最大の仕事として住民の生命財産を守ることが挙げられるが、現況を鑑みた時に志賀原発に過酷な原発の複合災害時にその任務を果たせるでしょうか?」

石川県議会や地元の志賀町議会でも原発の安全性を問う声が上がりました。これに対し、北陸電力は…

北陸電力 松田光司社長
「大事なことはですね、外部電源や必要な監視設備、冷却設備、および非常電源等の機能につきましてはしっかり担保されているということで原子力の設備の安全確保については問題ない」

1月31日、能登半島地震の発生後初めて開かれた記者会見。松田光司社長は改めて志賀原発の安全確保に問題はなく原子力の重要性は変わらないとの考えを示したうえで、地震で得られた新しい知見を生かしていくと述べました。

出席した株主
「安全、安全と言っているだけで周りの自治体の人たちも心配していますよ、という声が出ていました」

6月26日に開かれた株主総会でも同様の主張を繰り返した北陸電力。脱原発派の株主らが提出した廃炉や経営の透明化などを求める6つの議案は全て否決されました。

こうした中、志賀原発をめぐる状況を複雑な思いで見つめる男性がいます。