一方、輪島から遠く離れた場所で一歩を踏み出した人もいます。「沈金」の分野で人間国宝に認定されている山岸一男さん。先月末、2次避難している金沢市で新たにマンションの1室を住居兼工房として契約しました。


山岸さん
「こういう顔料をみんな取り出してね。こんなふうに割れちゃってるけど、まだ使えると思う物は持ってきた。瓶の中に入っているものは全部割れちゃって残っているのはこれだけ。いっぱいあったんですけどね」


元日の地震で輪島市河井町の自宅兼工房は全壊し、左肩を骨折した山岸さん。変わり果てた故郷の姿を前にすぐには前を向けない、複雑な心境を語っていました。