時間外労働が最大「約150時間」

 直美さんと弁護団は、優貴さんのパソコンのログなどを解析。ホテルでの週報の作成やメールやLINEでの業務連絡の時間などを調べ、専門外の試運転業務に就いた頃からの1か月間で時間外労働が最大で約150時間にのぼっていたことを突き止めました。

 そして労基署は、初めての海外勤務で経験のない仕事を強いられた点を重視。優貴さんの死を自死だと断定したうえで、現地で精神障害を発症したことによる労災と認めたのです。

それをゴールにしてはいけない、という思い

 目標だった労災認定を勝ち取った直美さん。しかし、“それをゴールにしてはいけない”という思いも抱いていました。

「過労死を出した企業がいつもニュースで“再発防止に努めます”というテロップが流れて、“本当にするんだろうか”という疑いというか。“任せといていいのかな”という部分はありました」
「箇条書きで、“こういうことがあれば息子は救われた”というか、“ここで気づいていれば何か救済されたんじゃないか”」(上田直美さん)