かつおの町・高知県中土佐町の小学校で地元の鮮魚店の店主がカツオの特別授業を行いました。授業を通して子どもたちはカツオがSDGsな魚であることを学びました。

久礼大正町市場やかつお祭で知られる中土佐町。久礼小学校で特別授業を行ったのは、地元で鮮魚店を営み、カツオソムリエと呼ばれるカツオのプロ、田中隆博(たかひろ)さんです。去年も行われたというこちらの特別授業。前回、子どもたちは目利きが難しく、さばくまで分からない「ゴシ」と呼ばれる質が悪いカツオについて勉強しました。その授業が好評だったことから、今回はSDGsの観点からカツオについて学びました。一本釣り漁はカツオが餌を食べたくなければ釣れません。また、頭の部分から尾びれに至るまで、あますところなく食べたり加工できたりするカツオはまさにSDGsな魚です。毎週、カツオを食べるという子どもたちも多く、積極的に質問しながら田中さんの話を熱心に聞いていました。

授業では刺身として出せない「ゴシ」をおいしく加工した商品や、カツオの骨などを原料にするたい肥で育てたトウモロコシの試食も。予想以上の甘さに子どもたちは驚きの声を上げていました。

「リンゴ!」
「ナシとかリンゴとかフルーツみたいな味がします」

(Q.カツオの好きな食べ方は?)
「タタキですかね」
(Q.タタキの好きなところは?)
「皮とかがパリッとしてて身もすごく新鮮でおいしいから」
(Q.どんなところが勉強になった?)
「SDGsが(カツオ文化の中では)ずっと前から繰り返されているということ」

(Q.普段どれぐらいカツオ食べてる?)
「わたしの家は1週間に3回くらい」

「焼きたてで食べるのが好き」
(カメラマン:焼きたてで食べる?家で?)
「お父さんが家で焼いてくれて」

(Q.どんなところが勉強になった?)
「カツオの食べられない部分とか“ゴシ”をどうやって食べるかを知ることができて、1回家でやってみようと思ってすごく勉強になりました」

田中さんは町を飛び出して商社に務めたこともある経歴の持ち主。「大人になってカツオへの思いがいつか芽吹いてくれたら」と話します。

(インタ田中隆博さん)
「真面目ないい子たちでした。世界に誇れるカツオの町なんだと。地元でずーと暮らしている久礼の人間がAIやデジタルっていうのを無理やり入れようと思っても難しいと思うんだけど、やっぱり外に出てそういう世界で一漕ぎしてきた子たちが(地元に帰ってきて)交わるっていうのかな。(故郷の誇れるものを)伝えときたいっていうか記憶の中に置いてもらいたいっていう思いで一コマ授業をやらしてもらいました」

田中さんの授業は子どもたちに好評で、中土佐町はこれまで久礼小学校のみで実施していた特別授業を今年は他の小学校でも順次、実施する予定です。