レスリングの競技力を高めようと、小中高生を対象とした「強化練習」が高知で行われました。指導者は、2024年パリ五輪の金メダリスト・樋口黎選手です。

「強化練習」は、7月19日から3日間、高知市の高知東高校で行われました。コーチを務めたのは、パリオリンピック男子57kg級の金メダリストの樋口黎選手と、高知県出身の西内悠人選手(日本体育大学3年)です。

22日午後に行われた練習には、小中高生およそ10人が参加。去年の全日本選手権と世界選手権女子55kg級(非五輪階級)を制した、清岡もえ選手の姿も見られ、タックルなどの基本的な技術や実戦形式の練習を行いました。

▼樋口選手の指導
「肘の内側も、手のひらのように使うんだよ。やってみよう」

金メダリストから直々に指導を受けたのは、去年=中学3年生の時に日本一になった、岡豊高校1年の藤原尚大選手。さっそく、指導を実践してみると…

▼樋口選手の指導
「そう!良い!かなり良くなった!」

樋口選手は、参加者たちに「1つの体勢から、複数の技に切り替えることができる」などと伝え、1人1人が“自分に合った技”を模索するように指導していて、参加者は真剣なまなざしで何度も技の練習に取り組んでいました。

また樋口選手は、「技」だけではなく「考える」ことの大切さも伝えます。世界で活躍した経験を生かしながら「賢い戦い方」について説明していました。

▼樋口黎選手
「トップアスリートになった時に『自分で課題を解決できる力』が無いと、そこで止まってしまう選手になる。『どうすればもうちょっと上手くできるか』『どの方向に行けば、相手を上手く倒すことができるか』などを、なるべく選手に問いかける形で尋ねるようにしています」

高知県出身の西内悠人選手は、過去にこの強化練習に参加していたことがあります。今回は“指導する側”としての参加で、“恩返し”の気持ちも込められているようです。

▼西内悠人選手
「高知県が『レスリング大国』になっていけるように、自分たちの活躍と、高知へ帰ってきての指導・サポートを、しっかり行っていけたらと思います」

“世界レベル”の選手からの指導で、参加者した中高生の気持ちは、さらに高まったようでした。

▼岡豊高校1年 藤原尚大 選手
「指導を糧に、日本で優勝して“日の丸”を背負えるような選手になりたいです」