松本選手は1989年生まれ、大阪府の出身。“Jリーガー”になることを夢見てガンバ大阪ユースなどでプレーしましたが、トップチームには昇格できず、高校卒業後はヨーロッパやオセアニアのクラブでサッカーを続けました。
2019年にはクラブワールドカップに出場するなど、徐々に活躍の舞台を広げていきましたが、2020年、ニュージーランドのクラブに所属していた時に、不慮の事故に見舞われました。
◆松本光平 選手
「筋トレをしている時に器具が外れて、目に当たって負傷して、そこから『視覚障がい者』になってしまったんですけど…。このけがをした時が、人生で一番痛かったですね」
壁に金具で取り付けたチューブを引っ張っていた時、金具が外れ、両目を直撃。この事故で、右目はほとんど見えなくなり、左目がわずかに見えるだけの状態となりました。松本選手は、一瞬で“視覚障がい者”となってしまったのです。

平衡感覚が狂い、少し歩くだけで目まいや吐き気に襲われる…。そんな状況でも、決してサッカーを諦めなかった松本選手は、転んでも、倒れても、懸命に立ち上がってリハビリを続け、事故から3年後の2023年に選手として復活を果たしました。
そして今シーズン、J3に参入した高知ユナイテッドSCに新加入し、35歳という年齢で、子どものころからの夢だった“Jリーガー”となったのです。