続いて訪れたのは、50代の女性滞納者の職場。女性が所有する軽乗用車にタイヤロックをかけます。

軽乗用車にタイヤロック



女性の滞納額は住民税や国保税など7万3400円。一緒に暮らしている20代の息子も9万4200円を滞納しています。職員たちは一括納付をすれば捜索をただちに取りやめることを伝えます。しかし・・・

(塩﨑泰 管理局長)
「今からお金をひいてきてお支払いできませんか?」

(滞納している女性)
「ひくお金がない」


実はこちらの女性、税とは別に家賃も3年前から支払っておらず、滞納額はおよそ50万円に上るといいます。職員たちは一括納付ができないことを確認したため、息子がいる、自宅の物品の差し押さえに向かいました。

「漫画全巻いきます」(職員)
「未開封なら2~3000円ぐらいの価値でいけるかなと(アクセサリー)」(職員)


息子には現在の仕事や収入を尋ねます。時折、漁業を手伝っているといいますが・・・

(滞納している息子)
「自分で(お金を)管理していないのでわかんないです」

(職員)
「手渡しか何かでもらっているんですか?」

(滞納している息子)
「手渡しですけど、別に(金額を)聞いてもらってないし、もらってそのまま母親が取るんで。僕なんぼもらってるか知らないです」

「自分で(お金を)管理していないのでわかんないです」


(塩﨑泰 管理局長)
「これは、また別の(通達)ですね。奨学金。あっちこっち払ってないんでしょうね」

「これは、また別の(通達)ですね…」


最後に、息子が手に持っていたタブレットも回収し、捜索は終了となりました。

手に持っていたタブレットも差し押さえ


(職員)
「お母さんにもうちへ来るようには言っているので、一緒に来るかしていただきたい」

(滞納している息子)
「向こう(母親)が勝手に決めると思うんで」

(職員)
「はい、そしたら以上になりますので」

「金の使い方の『優先順位』をもうちょっとしっかり考えてもらいたい」


(安芸租税債権管理事務機構 塩崎泰 管理局長)
「きょう差し押さえた中にわりと高価なものもありました。iPadですとか、室内では無線LANを整備されていました。ですからお金の使い方の『優先順位』をもうちょっとしっかり考えてもらいたい。まずは納税者としての義務を果たしていただいて、自分たちの生活をどう維持していくのかそこを考えていただきたい」

(安芸租税債権管理事務機構 塩崎泰 管理局長)
「納税が厳しければ早いうちに相談していただく、その上でどう払っていくのかを役場と一緒に考えていただきたい」


県市町村振興課によりますと、2020年度の県全体の市町村税の課税額はおよそ866億円でこのうち納付があったのがおよそ843億円です。23億円程度が滞納されたことになります。

差し押さえを決行するのは、通達無視、連絡がとれないなどのケースが挙げられます。現場でのやりとりから「生活が厳しい」という声は聞かれましたが、局長が言っていた「優先順位」を考えると、ずれがあるのは確かに感じました。

滞納者が租税債権管理機構に相談に来た時には滞納額が膨れ上がっていることが多いので、早めに相談してほしいということです。