「ツバサハゼ」が発見されたのは、高知県大月町の川で、河口から480 mほど上流の、水深およそ 30 cmの場所でした。
見つけたのは、「阿波魚類研究会」の庄野耕生さん。水中カメラで生き物の写真を撮影するのが趣味で、住んでいる徳島から高知の川へ、定期的に水中写真を撮りに来ているといいます。
当時、庄野さんは水中で生き物の写真を撮影していて、“帰る気満々”で別の生き物を撮っていたところ、岩の側面にへばりついていた「ツバサハゼ」を発見したといいます。

◆阿波魚類研究会 庄野耕生さん
「見つけた時は、意味が分からなかったです。めちゃくちゃ珍しい魚で、そもそも日本にはあまりいない種類なんですよ。まず、まともに見ようと思ったら沖縄県の西表島に行かないといけないので…。まさか見られるとは思っていなかったので、焦りました」
一目見て、すぐに「ツバサハゼだ!」と分かった庄野さん。写真を20枚ほど撮影した後、急いで陸に網を取りに行き、採取したということです。その後、以前から魚の研究でつながりがあった井藤さんのもとに「ツバサハゼ」を持ち込みました。
この「ツバサハゼ」、実は、ハゼ研究の第一人者でもある上皇陛下も熱心に研究されていた生き物なのです。