中学校のプールで行われた小学校の水泳の授業で、男子児童が溺れて死亡した事故について、31日、検証委員会は事故原因などをまとめた報告書を公表しました。男子児童の遺族が昨夜、取材に応じ、心境を語りました。
2024年7月、南海中学校のプールで行われた長浜小学校の水泳の授業で、当時4年生だった松本凰汰(まつもと・こうた)くんが溺れて死亡しました。事故原因などを調査してきた検証委員会は31日、報告書を公表。教諭が凰汰くんの居場所を把握できていなかったこと、教育委員会、学校が深さに対する対策を講じなかったことなどが原因と指摘しました。
この報告書について31日夜、凰汰くんの両親が取材に応じ、父親は「事故の経緯や状況など知りたかったことを詳しく書いてもらえた」と述べました。ただ、報告書にも記載された、当時の教育長が4年生は中学校のプールを使っていないと誤信していたことや、当時の校長が中学校側から受けた水位を下げるという提案を断っていたことなどについて「命を軽く見ている」と怒りをあらわにしました。
市教委は2025年、プール授業の再開を目指しています。父親は「凰汰はプールが好きだったから授業をやめてほしいとは思っていない」としたうえで、「100%溺れない状況を本当に作れるかどうかは分からない」と話しました。
4月19日、誕生日を迎える予定だった凰汰くん。両親は、凰汰くんが好きだったサッカーのスパイクをプレゼントに買ったといいます。「向こうでもサッカーをしているだろう」。涙を浮かべながら祭壇の凰汰くんに向かって微笑みました。