高知市の中学校でも、卒業式が行われました。このうち横浜中学校では保護者たちがサプライズで歌を贈り、子どもたちの門出を祝いました。

穏やかな春の陽気に包まれた12日。高知市の横浜中学校では、3年生104人が卒業の日を迎えました。

一人ひとりに、卒業証書が手渡されます。

卒業生代表の町田紺乃さんは、中学校生活の思い出をこんな風に振り返りました。

(町田紺乃さん)
「中学校生活の一番の思い出は何気ない日常です。あしたからはこの日常がないと思うとさみしくてたまりません。しかしこの思いを胸に私たちは新たな一歩を踏み出します」

3年前、入学した時には、まだコロナ禍が続いていました。思い描いていた中学校生活が送れないなかでも、精一杯、勉強や部活、学校行事に取り組んできました。

教室に戻った卒業生たち。最後のホームルームでは、思い出をまとめた動画が上映されました。

保護者たちからの突然の呼び出しに戸惑う卒業生たち。

次々と、移動していきます。

2月21日。横浜中学校の音楽室。保護者たちはサプライズに向けて子どもたちに内緒で練習を重ねてきました。

「やばい…」

「メロディーをもうちょっと教えてほしいです」

テンポが早い所や音が高い所は何度も何度も確認しながら練習を進めます。

すると…

徐々に全体の歌声が揃うようになりました。

「初めて聞く曲もあるので、これから覚えていかないかんけんど、子どもらのためならなんとか頑張らないかんかなと思っています」

「子どもたちが『えっ』と思うような感じになれたらいいと思うので、恥ずかしさを捨てて大きな声で歌いたいと思います」

このサプライズには福岡県出身のシンガーソングライター・ヤマモトケイスケさんも協力しています。

現在東京で活動するヤマモトさんは、新型コロナに感染したことがきっかけで心のバランスをくずして人前に立てなくなり、2024年療養のため一時、高知で暮らしました。高知での生活で自信を取り戻し、コンサートも再開。

ヤマモトさんの“力強い歌声”と“挑戦し続ける姿“がPTAの土居さんたちの心を打ち、サプライズライブへの協力を依頼しました。

(PTA副会長 土居有紀さん)
「自分がもう一回挑戦したい、歌を歌い続けていきたいという気持ちになれたというところに、すごく私とPTAのものたちが感銘を受けて、そこを子どもたちに届けられたらなとケイスケさんに声をかけさせてもらいました」

卒業式の日に披露する歌は3曲。保護者らが2曲を歌い、最後に、ヤマモトさんがオリジナル曲を歌います。

そしてこの日、初めて、オリジナル曲が披露されました。この曲は、保護者たちから集めた、中学校での子どもとの思い出が歌詞にまとめられています。

(PTA副会長 土居有紀さん)
「ワンフレーズ聞いただけでも、もう早くも涙が出そうになりました。本番耐えられるかなというところですが、いい思い出が作れたらいいなと思います」

(シンガーソングライター ヤマモトケイスケさん)
「卒業生のみなさん、おめでとうございます」

保護者たちが我が子に贈る、これからの人生への応援歌です。

いよいよ最後の1曲。ヤマモトさんのオリジナル曲、「セントポーリア」です。

「感想、感動しました」

「めっちゃうれしかったです。いい思い出になりました」

「練習をいっぱいしてくれていて、感動しました。高校は県外行くんですけど、バスケットボールがんばって恩返ししようと思います」

(PTA副会長 土居有紀さん)
「大成功で良かったです。いろんな人の力を借りながら、一人で悩まず挑戦し続けてほしいと思います」

(シンガーソングライター ヤマモトケイスケさん)
「(この先)つらいこととかもあります、正直。絶対に横浜中学校の3年間の過ごした日々はプラスになると思います。楽しんでこれから過ごしてください」