遺跡の発掘調査や文献を元に日本古代史の復元図を手がけるイラストレーターが20日、高知県安芸市の小学校で特別授業を行いました。
安芸市では安芸中学校の建設工事にともなって、2020年から瓜尻遺跡の発掘調査が行われ、1300年前の役所や寺院、運河の跡などが出土しています。


その復元図を手掛けたのが考古イラストレーターの早川和子さんです。

今回はその縁から安芸市が早川さんに特別授業をオファーしました。参加したのは穴内小学校5年生の6人。

歴史はまだ習っていませんが、歴史に興味を持ってもらう入口として実際の出土品を描くことになりました。題材は瓜尻遺跡で出土した壺と、2月に出土したばかりの瓦です。瓦には仏教で極楽浄土に咲くとされるハスの模様が描かれています。

早川さんは「絵に勢いが出るから」と下書きなしで書くように指導し、最初はこわごわペンを握った子どもたちも思い切ってペンを走らせていました。


(早川さん)
「ここはアートだと思って自由に」

色付けは「赤・緑・青」のみを使って行います。クレヨンを除光液で溶かして色付けすると独特の風合いで絵が浮かび上がってくるようです。

(児童)
「3色だけでもいろんな色が作れたり、いろんな色合いができていい」

(担任)
「来年、歴史の勉強をしていく中で『こんな時にこんな画があったな』とか、『先生が言ってた話はこれかな?』と、気づいてくれたら(勉強が)すごく楽しいんじゃないかな」

(考古イラストレーター 早川和子さん)
「見るだけじゃなくて手で一回書くと結構覚えるんですよ。小さな知識が歴史を好きになるきっかけになるんじゃないかなと思ってます。私たちは縄文時代の人とか弥生時代の人の子孫なんで意外と、きょうだいだったり親戚だったりするんじゃないか?っていう想像はよくしてます。歴史でそういうことを想像できるようになるとうれしいですよね」


最後は早川さんに似顔絵を書いてもらった子どもたち。ちょっとはにかみながら習った色使いのテクニックを使ってみたいと話していました。
