「巨大地震注意」発表を受け、地震の発生メカニズムの研究者に、8日の地震と南海トラフ地震が連動する可能性についてどう考えているのか聞きました。

8日、気象庁は南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」を初めて発表。日向灘で発生した地震に連動し別の巨大地震が起こる可能性が平常時より高まっているとしました。

高知県南国市の高知コア研究所で地震の発生メカニズムなどを研究する濱田洋平主任研究員は、日向灘沖でも調査を行ったことがあり、この辺りは大きな地震が多く発生している場所だと話します。

(濱田洋平 主任研究員)
「歴代を見ましてもこの日向灘エリアでたくさんの地震が起こっています。これを年表ごとに見ていきますと、1900年代からでも5つの大きな地震が起こっています」

気になるのが南海トラフ地震との連動の可能性についてです。

(濱田洋平 主任研究員)
「地震と地震との間の関係というのは、未だ発展途上であって実際どのようなメカニズムで地震が連動するもしくは波及していくのかはまだ詳しくはわかっていない。歴史上で見てみると日向灘地震と南海地震が連動している姿を見たことがありません。ですが、これはあくまで歴史上の区間ですので、我々の記録にない数千年スケールでは日向灘と南海トラフ地震というのが関連をしている可能性がある」

気象庁も1週間以内に巨大地震が発生する確率は0.5%としていて、県も1週間程度は注意するよう呼びかけています。なぜ、1週間なのでしょうか。

(濱田洋平 主任研究員)
「マグニチュードが7程度の地震が起こった後の1週間、ここに同程度もしくはより大きい地震が起こるというそういった現象が確認されている。それを過ぎても同程度の地震が起こったという事例もあるので危険度がゼロになるわけではない。目安として1週間程度は特に気を付けるようにとなっている」

濱田主任研究員は巨大地震が起こる、起こらないに関わらず、今回の「巨大地震注意」を地震への備えを見直すきっかけにしてほしいと話します。

(濱田洋平 主任研究員)
「常に前触れもなく地震は起こります。ただ今回は連動ということを視野に入れて注意が発表されたが、前触れのない地震に対して常に我々は備えておくべきだということを今一度皆さんに思い返していただいて、これを契機に地震への備えを今一度見直していただければと思っている」

県は具体的な備えとして避難経路や非常時に家族間で連絡の取り方を確認すること、備蓄や家具の固定を見直すことなどを呼びかけています。