なぜ今年も暑い夏になるのでしょうか。カギを握るのは太平洋高気圧とチベット高気圧です。

夏になると勢力を強める太平洋高気圧とチベット高気圧ですが、今年は共に日本列島に向けての張り出しが強くなりそうです。太平洋高気圧は平年より北西へ張り出し、チベット高気圧は北東へ張り出すことで、日本列島には2枚の掛け布団をかけられたような状態となります。暑い夏になるときは、大抵この2つの高気圧の勢力が強く、それぞれが日本列島に重なっています。

また、高気圧は時計回りの回転を持っているので、高気圧の縁に沿って空気が噴出していますが、今年は太平洋高気圧が北西に張り出すことで、縁を回る暖かく湿った空気が西日本に流れ込みやすくなる見込みです。その結果、湿った空気の影響を受ける西日本で降水量が多く、高気圧が張り出して覆われる関東甲信や北陸・東海地方では晴れて降水量が少なくなります。

夏は雨も多く、気温も高いので、気象の面では気を付けることが多くあります。最新の情報をこまめに確認することも大事ですが、長期予報を見て今後の傾向を“先取り”することで、より隙のない備えを進めておきましょう。(気象予報士・東杜和)