なかなか実現しない理由
この、核融合を利用した発電をめぐる研究の歴史は結構古く、およそ100年前には、既に理論が確立されていましたが、今なお、実用的な発電装置の完成には至っていません。
その理由について、研究所の担当者は「核融合反応を起こすには、数千度から1億度を超える、非常に高い温度が必要となる。それを維持するのが難しい」と説明します。
実に途方もない温度です。
実験は、真空状態の容器に入れられた微量の「水素」が、固体、液体、気体、さらにその次の状態の「プラズマ」になるまで加熱されて行われます。
「ヘリカル方式」の特徴は、超電導コイルの作用で、外側から形成した磁場でプラズマを浮かせて閉じ込められることにあります。
この場合、プラズマを発生させたあと電流を流し続ける必要がないことから、将来の発電所で必要となる長時間運転に適しているという利点があるといわれています。
ただ、複雑にねじれた装置の設計や製造には、極めて高い工作精度などが要求されます。








