1億度のすぐ隣にマイナス270度
研究所では、この「ヘリカル方式」の実験装置・LHDを使い、2017年には、核融合発電に必要な目安とされる1億2,000万度のプラズマ温度を達成したほか、1200万度のプラズマを54分間、また2300万度を48分間にわたり発生させた世界記録を持っていて、長時間運転の可能性を示しました。
それにしても、1億度を超すプラズマに耐えられる装置って一体何なのでしょう。説明してもらいました。

「こちらの空間に、実験ではプラズマが浮かぶ。プラズマの温度は1億度ですけど、真空の上にプラズマが浮かんでいるので、容器の壁の温度は100度以下」
そんなことができるものなんですね…。
一方で、容器を取り巻くように配置される複雑にねじれた電磁コイルは、その効率を上げるために、マイナス269度まで冷やされます。

「こちらには、マイナス269度で冷やされた超電導コイルが設置される。宇宙の温度がマイナス270度くらいなので、ほぼ宇宙空間の温度。こちらには1億度のプラズマ、まるで星の温度」
人類の作り出すことのできる究極の高温と低温が、わずか数メートルの距離で共存していました。








