発生原因などを調査した専門家らによる技術検討委員会の報告書によると、流れ落ちた土砂は6000立方メートルに及んだとみられていて、崩壊を引き起こしたひとつの可能性として地下水脈の存在が指摘されています。

行われる復旧工事は大きく分けて2つ。
ひとつめは、主に土砂の崩落を防ぐ目的で行われる工事、そしてふたつめは、斜面崩壊の起点部分に位置する緊急車両用道路を再び設置する工事です。

(松山市公園管理課・西本義明主幹)
「今後松山城を維持管理していく、城山を維持管理していく上でどうしても必要な道路となるので復旧する」
技術検討委員会の報告書は、緊急車両用道路の設置に合わせて取り付けられていたコンクリート製の擁壁の重量が、斜面の状態を不安定にしていた可能性を指摘しています。

(松山市公園管理課・西本義明主幹)
「前の緊急車両用道路がコンクリート製の擁壁であったのに対して、今回設置する緊急車両用道路の擁壁というのは『テラセル擁壁』という、いわゆる土で作っていく擁壁を設置していく」
そこで市は、再び緊急車両用道路を設置するにあたり、石や土を詰め込む方式の擁壁の採用を決めました。
これにより大幅な重量の軽減が期待できるということです。
工事ではこのほか、現在は土がむき出しとなっている斜面に鉄筋の補強材を打ち込みネットで覆うことや、地下水を集めて排水するための水路の整備も決まっています。