「幼少期の体験の影響で、自分はどうなってもよいと考えるなど、自尊心が低くなってしまう可能性がある。被害者が『身体を見せれば相手は優しくしてくれる』という誤った認識を持ってしまった場合、今後の生活の中でも、例えばDV(ドメスティックバイオレンス・家庭内暴力)の被害に遭いやすくなる恐れも考えられる」

性被害「どうしたらよいのか分からない」

法務省の統計によると、性的な被害を受けた人のうち、警察に届け出を行った割合は、15%程度に留まった。

その理由について「どうしたらよいのか分からない」「知られたくない」「警察は何もしてくれない」といったものが挙げられた。

ことさら家庭内で発生した事件、あるいは未成年者の被害者ともなると、より「表に出にくい」ことは想像に難くない。

愛媛県の統計資料「児童虐待相談対応の状況」によると、児童相談所を含む公的機関に寄せられた件数は年々増加傾向にあって、2021年には、統計が残る2005年の444件に対して、およそ6倍近い2,614件となっている。