「上下分離」は当たり前

石破氏は、政界きっての鉄道オタクとしても知られます。

石破茂前総理大臣:
エアコンなんかなくていいから、窓を全開にして走る。宗谷本線でもそうなんだけど、一つ一つのシーンがすごく感動的ですよね。ローカル鉄道、特に北海道。

――JR北海道が単独では維持困難ということで、上下分離方式を検討したいと正式に表明したが、上下分離についてどんな考えを?

石破茂前総理大臣:
上下分離なのが、鉄道は当たり前。ヨーロッパなんかはそう。例えば航空会社が空港を自分で作りなさいと言われたらもたない。バス会社が道路を自分で作りなさいと言われたらもたない。なぜ鉄道だけが、線路も架線も信号設備も全部自分でやんなきゃいけないのという話。

昭和39年まで当時の国鉄は黒字だったが、不思議とやれていた上下一体で。でもそれから飛行機は出るわ、高速道路は出るわ。そういう時代の変化の中でいろんなライバルが出てきてしまうと、上下一体だともたなくなったという当たり前の話。

――そうなると、自治体の負担がどうしても増えてくるが?
石破茂前総理大臣:
じゃあ自治体が上下分離になったのはいいが、インフラ分は自治体にというと、それだったら止めた方が良いやみたいなことになりますよね。

そうすると、日本全体のモーダルシフト(物流の転換)を考えた時に、国がどれだけ支援できるかということなんだが、かといってやたらめったらガラガラで、空気を運んでいるような鉄道まで国が支援するかというと、それは違うんでしょうね。あまりに採算が取れないところは、バス転換というのもありうる。

石破氏は鉄道の維持にとどまらず、まちづくりも見据えた議論が必要だと指摘します。

石破茂前総理大臣:
鉄道を使って、どれだけ人を呼び込むかというのは、札幌や東京で考えてわかることではない。乗りたくなる鉄道であって、それに乗っていきたくなるマチというのを作るということであって、いろいろな人が入って議論が深化していくというのが大事なんじゃないか。