道警広域緊急援助隊特別救助班 山崎公子隊員
「私もずっと災害現場に行きたいと思っていて、同じ想いを持っている女性はまだいると思うんですよね。ただ自分ができなくて『女性は連れて行かないほうがいいのかな』と思われてしまうと自分の責任かなというのもありました。今回の現場では『女性でも活躍できるんだ』というのを証明出来たらいいなと思って、そういう気持ちを持って行きました」

現場は、石川県珠洲市仁江町の、崩落した山から流れて来た土砂に巻き込まれた住宅。
男女2人が安否不明のまま、見つかっていませんでした。
土砂を取り除こうにも、大きな岩や木の幹が阻み、土が固まってスコップも入らず、捜索は困難を極めました。
それでも隊員どうし、声を掛け合い士気を高めながら、朝から日没まで、連日捜索を続けました。
重機を使いながら土砂をよけていくと、1台の軽トラックが見つかりました。
地震の発生時、住宅のそばにあった軽トラックです。
「安否不明者が近くにいるのではないか」
軽トラックにかぶさっていた木の幹をチェーンソーで取り除き、さらに掘り進めます。

道警広域緊急援助隊特別救助班 山崎公子隊員
「『必ず安否不明者を発見する』という気持ちを持って現場に向かって、掘っているあいだも『絶対、ここにいるかもしれないんだ』と思いながら、もうひたすらに掘っていましたね」

北海道警が捜索を始めて5日目。
3メートルもの土砂の下から、男性が見つかりました。
探していた安否不明者のうちの1人でした。
地震発生から1か月あまりが経っていました。

道警広域緊急援助隊特別救助班 山崎公子隊員
「発見した時は『すぐに掘り出してきれいにしてあげたい』と。私たちの活動が少しでも被災者のためになれたのかなと思いました」