1998年、当時の一畑電鉄がデラックス車両として2編成導入したのが5000系です。
元々は東京の京王電鉄で走っていた初代5000系で、大きな窓の優美なスタイルから「関東の名車」と呼ばれました。
京王電鉄引退後も全国各地の地方私鉄に移って活躍を続けていて、鉄道会社にも人気の車両です。

ただ、京王線はレールの幅がJRなどよりおよそ30センチ広い特殊な規格。
そのままでは使えず、マッコウクジラと呼ばれた東京メトロ、当時の営団地下鉄3000系の台車に履き替えて一畑にやって来ました。
一畑では、車体がほぼ元のままの車両も通勤通学輸送向けに2100系として導入しましたが、5000系はそれとは一線を画するデラックス車両として計画。
運転台正面にあった扉をふさぐなど、顔を高級感あるものに大改造。
宍道湖と出雲平野の雲、出雲大社の厳粛さを表すという燕尾服を思わせるようなしゃれた装いとなりました。