猛暑によるコメへの影響はたびたび農家を悩ませている
高温によるコメへの影響は県内でたびたび起き、農家を悩ませていました。県は温暖化がより進めば、今のままのコシヒカリBLでは適応できなくなると考え、新品種の開発プロジェクトをスタートさせました。
長岡市の農家・池津伸俊さんも2010年、高温による品質低下に苦しみました。
【池津伸俊さん】
「暑さが来て一気に稲が体力を奪われて、慌てて肥料を振ったんだけど、回復まで至らずに、結局稲が生育障害を起こしてお米の方に白濁したものが残っちゃったっていう経験はあります」

コメを巡っては需要の減少や全国でブランド米が誕生し、産地間競争が激化しています。こうした中で生き残って行くには高温に強いコシヒカリBLの開発は欠かせません。池津さんもその開発には期待を寄せます。
【池津伸俊さん】
「生産者が期待通りの成果を出すかどうかはわからないですけど、最初はやっぱり皆さん喜ぶじゃないでしょうかね」
新潟県はこれまで、収穫時期を分散させ生産リスクを減らすため収穫時期が遅い晩稲品種のブランド米、『新之助』を開発しました。しかし「新之助」は生産農家が限られているほか、市場や農家からもコシヒカリブランドの存続を望む声が強くありました。

【県農業総合研究所アグリ・フーズバイオ研究部 白矢武士主任研究員】
「コシヒカリが本当にニーズが非常に高いというのがあってそういう新しい品種よりもむしろコシヒカリをもっと作り続けたいというニーズの方が高いのかなっていうのがあると思います」