3年間で残したものは「基準」

では、橋川監督はこの3年間でアルビレックス新潟レディースに何を残したのか。
その問いに、指揮官は「基準」という言葉を繰り返した。

「私自身は、最初の会見でも言ったように『クラブ作り』をやる人なので」

橋川監督は、小さなクラブや新しく立ち上がったクラブで、土台を作る仕事に向き合ってきた。アルビレックス新潟レディースでの3年間も同じだった。

「ひとつの『基準』は示せたかなと。こうすれば、ここまでちゃんと行けるんだよっていう形で」

選手、スタッフが大きな目標に向かい、プロセスを描きながらサイクルを回していく。100%準備して、120%戦う。そうすれば、ある程度のところまではたどり着ける。

橋川監督は、その感覚をチームに残したと語った。
それは、サッカーの戦術だけではない。

守備をすること。
切り替えを早くすること。
自分のストロングをどう生かすかを考えること。
そして、常に「考え方」を大切にすること。

監督が代われば、サッカーのやり方は変わる。
それでも橋川監督は、こう話した。

「この『基準』は変わらないものだと思っている」

橋川監督が残したかったのは、特定の戦い方ではない。
選手たちが立ち返ることのできる「基準点」。

それは、アルビレックス新潟レディースが次に進むための、目に見えない土台だった。