今村院長によりますと、精神科に通ったことがない女性であっても、妊娠・出産によって、ふたをしていた悩みや過去の経験がフラッシュバックすることがあるということです。
【ささえ愛よろずクリニック 今村達弥院長】
「パニック発作とか不安発作みたいな形で出るが、背景には幼少期のトラウマまではいかないかもしれないが、そういったものがベースに実はあったというようなことが増えているような印象があります」

そして『ゆるゆる』にはもう一つの課題があります。スタッフはそれぞれの本業を抱えながら合間を縫って、ボランティアでこの居場所を作っています。
助成金の申請といった選択肢もありますが、その場合、利用者の数を増やすことや何らかの成果を出すことなど、報告が求められることもあります。
【原田佐緒里さん】
「人集めをするということに労力をとられてしまって、本来やりたかった『人に寄り添いたいからこういうことをやっている』、『困っているお母さんのために』、『お母さんが元気になれば子どもも元気にできる』という、そういう初期の思いがどうしても薄れてしまう。そういうことが怖いです」
必要な人のために必要な居場所を提供する…その思いは利用者に届いています。
【ゆるゆるを利用している40代女性】
「子どもを見守ってくれるだけじゃなくて、『ゆるゆる』ではお母さんを見守ってくれます。何とか大きく病気を悪化させることなくここまで来られているので、こちらのサポートがなかったらと思うと怖くなりますね」
月に1度、ゆるゆると続いてきた居場所づくり。
支援が必要なママたちのために…これからも活動は続いていきます。