クマの目撃が後を絶たない中、21日、新潟県 魚沼市で県内で初めて人の生活圏で猟銃を使って駆除する『緊急銃猟』が行われました。その時、周辺住民は?
【近くに住む人は】「速いなーと思ったね。結局、目で追えなかった」

【近くに住む人は】「結構速くて消防隊員も一回見失ったりとか」

住宅街を走る緊急車両。その奥では、消防の職員が複数人でやぶの中を見守っていました。

やぶの中にいたのはクマ。魚沼市 古新田で21日、住宅地付近に出没し猟銃によって駆除されました。

県内で初めてとなった『緊急銃猟』です。

【近くに住む人は】「1時間、2時間くらいずっとクマが茂みにいるような形で。この写真を撮ってすぐにクマがぴょんと跳ぶのが見えるような形」

【近くに住む人は】「頭がちょうどこっちを見ている感じだった。(クマが)林の向こうに逃げていったところを猟銃で2、3発撃ったみたいで」

クマが出没したのは21日午前9時ごろ。近くには民家もあり、小出小学校や中学校、佐梨保育園からいずれも数百メートルほどで、現場近くは通学路にもなっていました。

【見守り隊の人は】「近くなので銃声が聞こえてちょっとドキドキした。(クマを)見たら報告が一番、そしてその情報を共有できれば」

魚沼市は、「人の日常生活圏内であり危険な状態」だと判断。

クマがいたのは5メートルほどのがけ地となっている所で、猟銃を使ったとしても周囲に被害を及ぼす恐れはないとして、緊急銃猟を決断しました。駆除されたクマは体長75センチほどでした。

【近くに住む人は】「林の中に銃を向けていたので(周囲は)心配しなかった」
【近くに住む人は】「クマに近い所は警察が交通規制をしていた。森に帰してしまうと、一回こっちに出てくるのをクマも覚えていると、下りて来るという話も聞くので仕方ないのかな」

条件付きで市街地での発砲を認めるようにした『緊急銃猟』。人の生活圏で猟銃を扱うことの難しさについて県猟友会の池田富夫 会長は…

【県猟友会 池田富夫 会長】「どうしてもクマやイノシシは一発必中の技術がある方でなければ駄目というのが基本。万が一、クマに当たったけど逃げたとなれば大変なことになる」

正確さがより求められるため、緊急銃猟ができる人材の育成に努めています。
【県猟友会 池田富夫 会長】「実際当たらないんです。訓練をしないとね。それが一番の怖さというか、大切さですね。当たらなくって、クマが逃げて街中で騒いで、そういうことが起きないために徹底的な教育と研修をやっています」

一方、村上市では連日のようにクマが出没し、対策に頭を悩ませている地域があります。

岩沢集落に設置されたセンサーカメラがとらえた映像です。
時刻は午前2時半。エサを探しているのか、畑をうろついていました。

その5日後にも別の個体とみられるクマの姿が…

このカメラは、鳥獣被害対策のため集落が設置しました。

【畑の所有者 飯沼洋二さん】「去年からカメラをつけ始めたんだけど、見たら今年はクマが来ていて、去年はクマなんか来てなかったんだけど」

クマの姿が映っていたのは先月から今月にかけて複数回。午後10時ごろから明け方ごろにかけてでした。

付近にはクマのものとみられる痕跡があり、およそ100メートル離れた栗の木にもクマの痕跡が…。
【畑の所有者 飯沼洋二さん】「(木が)折られちゃって、栗の木の中心のところに自分の座る場所を作って実を集める」

木に上って栗を食べていたのか、木の下にはイガが散乱していました。

クマが出没した場所の近くには住宅が立ち並んでいて、およそ700メートルのところには中学校があります。近くの道路は通学路になっていて中学生が毎日利用しています。

【近隣住民は】「夜遅いときもあるけど、気にしながら帰ってきている」

【7月・9月にクマを目撃した人は】「軽トラックとかあっても、気にしないですね。人間の生活環境の音には慣れているんじゃないでしょうかね」

この地域では、クマ用の箱わなが12基ありますが、全て別の場所に設置されているということです。

【飯沼洋二さん】「今我々ができることはやぶを払って、クマとかイノシシとかが来にくい環境にすること」

山の中がクマの居場所にならないように草木を刈っていますが、過疎化による人手不足と土地の所有者の特定が課題となっています。

【飯沼洋二さん】「勝手にはその土地をどうのこうのとはしにくいから、やぶになっていく。集落みんなで徐々にきれいにしていきたい」

地元住民も経験したことがないというクマの出没状況、各地で対策が求められています。の目撃情報が相次いでいます。住民の間には大きな不安が広がっています。
