悪質な運転に適用される『危険運転致死傷罪』について、適用のハードルが高く「一般常識とのギャップがある」という声も上がってるなかで今、“要件見直し”の議論が行われています。
交通事故で息子を亡くし『危険運転』の適用を訴えてきた遺族を取材しました。
危険運転致死傷罪について考える
新潟市東区の母親(63歳)は、当時高校2年生だった次男・梁川晋男さんを事故で亡くしました。
2006年4月21日のことです。
それ以来、月命日には必ず、仏壇の前で手を合わせていると言います。
「21日にお寺さんが来てくださってお経を聞くと、息子自身に向き合えるというか、そういう時間になっているかなと思います」

晋男さんの部屋も見せてもらいました。
ゴミ箱に捨てられたメモや、部活で使っていたバレーボールなどが、今もそのまま残っています。
「あの子もこの部屋に帰ってきたかっただろうなって」

あの日の朝は、雨が降っていました。
いつもと何も変わらない朝の光景…。
「雨ならバスで行きなね」
「分かった ―」
これが、晋男さんとの最後の会話になりました。