BSN開局70周年記念プロジェクト・「#ユメファクトリー」。
今回登場するのはバタフライでオリンピック出場を夢見る中学生スイマーです。
なんと、オリンピアン・水沼尚輝選手による特別指導が実現しました!世界で活躍する水沼選手から速さと強さの秘訣を教えてもらいました。
今回の主人公、中学1年生の服村健太郎さん。得意種目はバタフライ。
普段は新潟市東区のスイミングスクール・「アクシーひがし」で練習しています。
【服村健太郎さん】「速くなってオリンピックに出たい」

健太郎さんは小学6年生だった今年3月…
「新潟県学童新記録を樹立いたしました」
バタフライの50メートルと100メートルで小学生の県記録を更新。
驚くべきは、このとき、バタフライを本格的に始めてから半年ほどしか経っていなかったのです。

「服村健太郎・アクシー東、前に出たか?体半分くらい、服村優勝!」
こちらは21年8月に開かれたBSN杯。この大会では100メートル自由形で優勝を果たしていました。バタフライを本格的に始めたきっかけは21年の秋にスクール内で開かれた記録会でした。
【服村健太郎さん】「『何でもいいから出てみよう』みたいな気軽な感じで(バタフライで)出てみたんですけど、その時のタイムが思った以上に速くて、その後トレーニングとかをしてやっと冬くらいに(県学童記録を)狙えるんじゃないかっていうくらいになった」
小学4年生から指導してきた五十嵐さんは健太郎さんについて、練習に対する真面目さはもちろん、こんな強みがあると話します。
【アクシーひがし 五十嵐芳和所長】「彼は背が大きいので手足も長いですし、足も28センチで大きいフィンみたいな足を持っているのでそれを活かした泳ぎができているので速くなっていると思う」

そんな健太郎さんが今回応援してほしいユメ、それは…
【服村健太郎さん】「水沼選手に会ってトレーニングとか泳ぎ方を教えてほしい」

東京オリンピック代表で、6月の世界水泳・男子100メートルバタフライで銀メダルを獲得した新潟医療福祉大職員の水沼尚輝選手。

水沼選手と言えば…
「次はジュニアの選手たちと一緒にパリオリンピックに行きたいと思っていますので一緒に頑張りましょう!」
明るいキャラクターが印象的です。そんな水沼選手にぜひ教えてもらいたいと願ったことには、ある理由がありました。
【服村健太郎さん】「(3月に)全国大会、ジュニアオリンピックがあったが緊張でガッチガチであまりいいタイムが出なくて…」
Q結構緊張しやすい?
「県大会くらいだとあまりしなかったりもするけど、全国大会となるとちょっと雰囲気も違うので」
【アクシーひがし 五十嵐芳和所長】「心の部分が強くなっていければもっともっと上に上がっていけるんじゃないかなと思う」
大きな大会で力を出せず悔しい思いをした健太郎さん。水沼選手の泳ぎはもちろんですが、世界と戦うそのメンタルの強さに憧れています。
【服村健太郎さん】「どうやったらポジティブでいけるのかというところを聞いてみたい」

とはいえ、水沼選手は国体出場も控えている多忙なトップスイマー。健太郎さんの思いは叶うのでしょうか?
後日…新潟医療福祉大学にやって来た健太郎さん。
【服村健太郎さん】「ちょっと緊張しています」
緊張の面持ちでプールに向かいます。そこで待っていたのは…
【水沼尚輝選手】「あっ、もうやってますか?」
憧れの水沼選手!合宿と合宿の合間の貴重な1日を使って健太郎さんのユメを叶えてくれたのです!

【水沼尚輝選手】「同じバタフライ同士、きょうはしっかりと僕の技術を伝授していきたいと思います。よろしく」

【服村健太郎さん】】「もう言葉が出ないです…」
夢のような特別指導が始まりました。まずは水沼選手に泳ぎを見てもらいます。
【水沼選手】「見てる感じ、ちょっとやっぱり膝打ちになってる感じがするんだよね」

日本代表選手から直々にアドバイスがもらえるまたとない機会です。健太郎さんは水沼選手の教えを一言も聞き漏らすまいと真剣に耳を傾けます。一度プールから上がると、自宅でもできる筋力トレーニングを教えてくれました。
「手と足が、同時に、動いてるでしょ?これが、バタフライの、極意、なんです!」「喋りながらできる…」「まあ、死ぬほどやってますから、このトレーニングは」
憧れの選手の凄さに、目を輝かせる健太郎さん。さらに驚きの出来事が!
「これあげるね。プレゼント!」
「いいんですか?宝物にします」
「そんなボロボロのでよければ」
「世界水泳の時につけてたやつですか?」
「そうそう」

なんと、銀メダルを獲得した世界水泳でつけていたゴーグルをプレゼントしてくれたのです!

【服村健太郎さん】「なんか…これつけてるだけでだけで速くなりそう」
ますます尊敬の思いが強まったようです。その後、筋トレを踏まえてもう一度水中で身体の使い方を教えてもらい、夢の時間はあっという間に過ぎていきました。練習の後、水沼選手に聞いてみたかった強いメンタルの秘訣を尋ねました。
【服村健太郎さん】「(ジュニアオリンピックで)普段通りの力が出せれば決勝に行けるかもしれないっていうくらいのタイムだったけど、『がんばれ』みたいに言われたりしたけどそれでまた力んじゃったり、タイムが出なくてというのがあったので、そういうときにどうやったら…」
【水沼選手】「それでプレッシャーに感じてしまうのはおそらくそういう人たちの声援に応えたいっていう気持ちがすごく強いと思うんだよね。自分の中で優先順位を考えると、『その声援に対して結果で恩返ししよう』というよりもまずは自分のことを考えて自分がどうやったらその大きい試合でベストパフォーマンスを尽くせるかどうかを考えることでそういう周りのプレッシャーをはねのけていると僕は思う」
水沼選手にも初めて世界水泳に出場したときの苦い経験がありました。
【水沼選手】「周りに超トップ選手がいるわけよ。ドレセルとかピーティとかもう目をキラキラさせて『うわぁすごいすごい!』とか見ててそれこそ自分のレースどころじゃなかった。外部の所に自分の目が行っちゃってたから全然タイムも出せなかったしすごく悔しかった記憶があるので、だからこそ自分の軸を持ってやることが大事」
世界の舞台で活躍し、水泳に打ち込む子どもたちにとって憧れのヒーローである水沼選手。

子どもの頃、こんな夢を描いていました。
【水沼選手】「小さいころの夢はウルトラマンだった。形は違えど、ウルトラマンと同じような立場になれているんじゃないかな」「最強の怪獣たちが世界にはたくさんいますので、メイドインジャパンをしっかりと世界で表現できるようにこれからも頑張っていきたい」
そんなヒーローに健太郎さんも誓いを立てました。
【服村健太郎さん】水沼さんの記録を超えられるくらい誰もたてられないような日本記録を出します」

【水沼選手】「楽しみにしています!頑張ってください。僕も今のうちに日本記録の底上げをしておきたいと思います」
特別な時間の最後に書いてくれた色紙には…
【水沼選手】「未来の日本記録保持者へ!」

【服村健太郎さん】「最高な時間でした。これからの糧にしていきたいと思います」
憧れの人が打ち立てた日本記録の更新を胸に誓い、さらなる高みを目指す健太郎さん。これからの飛躍に期待です!