新潟県長岡市の山古志地域で2018年に開かれた成人式。
「中越地震を経験したからこそ、今の山古志、今の私たちがあるのだと思います」と誓いの言葉を述べた、ひとりの男性がいました。
坂牧颯人(さかまき・はやと)さんです。

あれから6年がたち、坂牧さんは中越エリアでただ1人という『プロの和太鼓奏者』になっていました。「中越地震がなかったら、今の自分はいない…」坂牧さんがそう話すわけと、演奏に込める思いを取材しました。

“日本の原風景”が残るといわれる長岡市の山古志地域。9月、稲刈り前の田んぼが黄金色に輝く中、26歳になった坂牧颯人さんに話を聞きました。

「太鼓は本当にからだの一部ですね。たたかないと不調になるんですよ、もうなんかリズム刻んでいないと…」

山里の風景を見つめながら、こうつぶやいた坂牧さん。

この日、出身地・旧山古志村の隣にある川口地域で開かれた老人クラブの研修会で、講師として登壇。およそ70人の来場者を前に、和太鼓奏者として生きることを選んだ自身の人生について語りました。

「太鼓を始めたきっかけが“中越地震”というふうにお話させていただいた…」