そこで富岡市が考えたのが…「国宝の貸し出し」です。
「西置繭所」の中にはイベントホールが入り、講演会やコンサート、さらには結婚式での利用も可能で、“世界の宝”として認められた富岡製糸場を、地域の人にさらに愛してもらいたい考えです。

そんな製糸場は富岡市に住む人にとってどんな存在なのでしょうか?
【かわら屋・坂本悟さん】
「製糸場の見方も変わって『すごかったんじゃん』『こういういわれがあるの』っていうのが割と最近、ここ10年で」

製糸場から歩いて5分ほどの場所で50年以上営業している割烹「かわら屋」。
店主の先祖が製糸場の屋根の瓦職人だったことから名付けらた店名です。
店の2代目・坂本悟さんはこの地で生まれ育ち、世界遺産登録で変わっていく街の様子を見つめてきました。
【かわら屋・坂本悟さん】
「イメージ沸かなかったんですよ、富岡に観光のお客さんが来てくれるっていうのが。ましてや今インバウンドで海外の人も見に来てくれる、まるっきり想像もしていなかったことが起きましたね」
「製糸場近くのお土産屋さんの家賃にしても、ありえないくらい上がって“富岡バブル”って言われて…」