将棋の藤井聡太七冠が11日の王座戦に勝ち、史上初めて八大タイトルを全冠制覇しました。ただ、かつてタイトルの数がまだ5つだった時代に全冠制覇したのが青森県おいらせ町にゆかりの深い大山康晴15世名人です。大山15世名人の関係者も偉業を祝福しています。
王座戦第4局は11日、藤井聡太七冠が終盤に逆転をして138手で勝利しました。史上初めて八大タイトルを全冠制覇しました。ただ、1962年にタイトルの数がまだ5つだった時代に全冠制覇したのが大山康晴15世名人です。その大山15世名人は生前、青森県内の各地で指導対局や講演などを重ねて将棋文化の発展に貢献しました。このため、おいらせ町には1989年に大山将棋記念館が開館しました。その初代館長で日本将棋連盟名誉会員のおいらせ町の中戸俊洋さんは今回の藤井八冠の偉業を祝福しています。
大山将棋記念館初代館長 中戸俊洋さん
「大変な効果だと思いますね…本当におめでとうと言いたいです」
ただ、中戸さんが強調するのは大山15世名人が1962年に初めて五冠達成したあとタイトルを奪われることもありましたが生涯に4回も五冠を達成したことです。思わず、こんな本音も漏らします。
大山将棋記念館初代館長 中戸俊洋さん
「八冠を制したのは素晴らしいの一言ですね。まだまだそれでも大山名人への域に達するには修業が大事だと思いますよ」
大山15世名人は69歳で亡くなる直前まで第一線で活躍し続けていて、その姿を間近に見てきた中戸さんは藤井八冠にも息の長い活躍を期待しています。
大山将棋記念館初代館長 中戸俊洋さん
「これ以上のことはないわけで、追随を許さないくらいの圧倒的な活躍をしてほしいと思いますね」
「今回の対戦を糧にして実力をつける」と意気込む藤井八冠。さらなる活躍により本県を始めとした将棋人口の増加やレベルアップが期待されます。