※津軽系こけし工人会 阿保六知秀 会長
「オーストラリアから来た子どもたちに、(制作体験で)私が『髪は黒』といったら、手があがって『私は金髪、茶髪ですけど描いてはだめですか?』となって、これが国際化だったなと思った」

いまでは阿保さんを始め多くの工人が創作こけしを手がけていて、こちらのモチーフは、なんだかわかりますか?そう、サンタクロースです。まさに、国際化を実感させる作品です。

工人たちはこのほかにも、桃の節句や端午の節句など季節にあわせたものを作るようになりました。こうしたこけしの登場に制作歴が半世紀を超す阿保さんは、こんな本音を漏らします。

※津軽系こけし工人会 阿保六知秀 会長
「久しぶりに青森県に来る人はまだ伝統こけしをイメージしている人はいるので、将来まだまだ続いていくと思う。いまやっているものが50年経つと、残っていった作品は伝統ある作風になる。ピンクの髪型のこけしは『50年前に殿堂入りです』という時代がくるかもわからない」

旅先の土産品として生まれたこけしは、時代が進むにつれて求められる役割も変わり、より、かわいらしく進化しようとしています。

こけし女子が自分のお気に入りのこけしをつれて旅行へ行き、制作した工人と対面することを「こけしの里帰り」と呼んで、行っているそうです。創作こけしから伝統こけしへ興味持ってもらえたら嬉しいですね。