買い物をしていて「高い」と感じているのではないでしょうか。「タマネギ」の値段についてです。なぜ高騰しているのか、そしていつまで続くのか取材しました。
青森市のスーパーの生鮮食品売り場の一角。買い物客がじーっと見つめる先にあるのは、タマネギです。
※買い物客
「タマネギがすごく高いので、肉じゃがとかカレーとか作りやすいものでも作るのを悩んでしまうし、小さい子もいるので離乳食にも使っていたので、どうしようかなと悩むことが多かったです」
大人も子どもも大好きなカレーを始め、さまざまな料理に使われるタマネギですが、その価格は、去年秋から高騰が続いています。
※マエダ 営業本部野菜バイヤー 柳谷元樹さん
「青果を15年くらいやっていますが、初めての経験ですね。発注しても店に希望通りの入荷がない状況。利幅を抑えて買いやすくはないですが、(少しでも)買いやすい単価で販売しています」
一体、何が起きているのか、青森市の市場を訪ねると…

※青森合同青果 野菜部 畑中智之次長
「全国の半分以上の出荷量がある北海道産が夏の高温・干ばつで記録的な凶作になったこと、加工用中心の中国産も新型コロナの影響で上海のロックダウンによる輸出制限と近年のタマネギの価格低迷で全国的に作付けが減ってしまったことが原因と思われます」
日本一の収穫量を誇る北海道は、2021年の夏の猛暑と雨不足で記録的な干ばつに見舞われ、農作物に大きな被害を受けました。例年、8月に出荷が本格化して翌年の5月まで続きますが、今年は、1か月早く4月に終了して在庫不足となっています。

さらに、新型コロナによる中国・上海でのロックダウンで物流が停滞したことや円安による輸入控えもあり、高値の要因が重なりました。

青森市中央卸売市場の価格は、2021年9月から平年を上回り、4月は、1キロあたり83円のところ、今年は300円と3倍を超えました。5月は、9日時点で324円とおよそ4倍の価格です。現在は、北海道産の次に出回る佐賀県産や兵庫県・淡路島産が出荷され、市場の在庫は、徐々に回復していくと見られますが、この価格高騰はいつまで続くのでしょうか?

※青森合同青果 野菜部 畑中智之次長
「4月に雨が少なかったため、このあとはそこまで大きくならないとのことで、淡路の方も平年を少し下回るくらいの出荷量になる。今年の北海道産が出回る8月以降までは不安定な価格になると思います」
新型コロナや円安に天候の影響もあり、タマネギの価格が落ち着くのは、もう少し先になりそうです。