そして私は知事就任以来、この青森を暮らしやすさではどこにも負けない地域として発展させるとの決意を胸に、県民のなりわいと生活が好循環する生活創造社会の実現に向けた様々な仕組みづくりにも全力で取り組んできました。特に消費者起点に立った販売重視の施策展開と、それを支えます「水・土・人」の3つの基盤づくりを基本理念に、平成16年度にスタートさせた「攻めの農林水産業」では、私自身が先頭に立ち、市場関係者や大手量販店の経営者、そして多くの消費者の皆様方に直接売り込みトップセールスを積極的に展開いたしますとともに、輸送時間の短縮や鮮度・品質保持を付加した付加価値の高い物流によりまして、農水産品の国内外への流通拡大を物流面で支援するいわゆる「Aプレミアム」などを活用した販路拡大ということで徹底して取り組み、稼げる農林水産業を確立いたしました。
その結果、平成21年の農業産出額は3277億円と7年連続で3000億円を突破し、18年連続東北トップを堅持いたしますとともに、販売農家1戸当たりの生産農業所得は知事就任前の約2倍以上に伸び、さらに2021年産リンゴの販売額は8年連続で1000億円を超え、リンゴの輸出実績も8年連続で100億円を超えるなど好調に推移いたしております。また、2021年産米食味ランキングにおきましては、「青天の霹靂」が7年連続で特A評価を取得したことはご案内の通りであります。こうした様々な成果が新規就農者の着実な増加にも結びついております。
観光分野、交流人口の拡大におきましては、立体観光・周遊観光の推進によりまして、2019年には外国人延べ宿泊者宿泊者数が過去最高更新し、震災前の約5.7倍と大幅に伸びました。また2019年7月には、エバー航空「青森―台湾線」が新規就航し、大韓航空「青森―ソウル線」と合わせ、複数の国際定期便の同時就航となり、本県のインバウンド需要を牽引するなど、国内外、多くの皆様から「選ばれる青森」を実現することができました。
商工分野におきましては、企業誘致増設件数が、知事就任以来、令和4年3月までの累計におきまして582件に達し、7300人を超える雇用の直接の確保に繋がっておりますほか、働きやすい職場として女性の方々にも人気がございますコンタクトセンター関連業を中心に製造業あるいは植物工場などの新設など好調にこの分野も推移いたしております。
また、県内の創業支援拠点を利用した創業者数が6年連続で100名を超えておりますほか、令和2年度も12月現在の数字でありますが、既に100名、今年度も超えているなど、コロナ禍にあっても、意欲を持った創業者が地域の特色ある資源やアイディアを生かしながらこの青森の地でしっかりと夢を実現させております。その他、防災公共の推進、あるいは自助と共助によります防災の強化、医師確保対策をはじめとする医療提供体制の充実、青森型地域共生社会実現に向けた仕組みづくり、さらには持続可能な地域づくりを支える多様な人材の育成など、子供から高齢者まで全ての県民の皆様方が生まれ育ったこの青森の地において安んじて暮らすことができる環境づくりもまた合わせて進めてきたところであります。