このように厳しい状況に直面したときにこそ、真の姿が立ち上がるものであります。コロナ禍にあっても決してひるむことなく常に将来を見据え、県民のための県政という原点に立ち返りながら、現在、そして未来の県民の幸せにつなげていくため、なすべきと信じる道に向かって、まっすぐに取り組んでいかなければいけないということを決意したものでございました。
そしてこの間、長引くコロナ禍に加えまして、大雨災害でありますとか、高病原性鳥インフルエンザなど、緊急かつ突発的な事案も様々発生いたしましたが、県庁全庁を挙げて対処する中で、懸命かつ真摯に職務に邁進する職員姿を目の当たりにし、また、県民の皆様をはじめ多くの関係者の皆様のご理解ご協力いただいたことは私としても様々経験し、思い悩み、そして事を前へ進める決断をするにあたり、大きな力となったものであります。
私はこうした思いのもと、令和4年、昨年の春以降、これまで地道に築き上げてきたネットワークや信頼関係が長引くコロナ禍等により途切れてしまうことのないよう、その繋ぎ直しやさらなる強化のため、またその感触を自分自身しっかりと確認するため国内外を積極的に飛び回ってきたわけでありますが、その中でコロナ禍からの回復基調というものを直感しました。未来へのつなぎは概ね果たすことができるのではないかと確信をしたところでありました。また先ほど申し上げました通り、「攻めの農林水産業」や企業誘致・起業創業などコロナ禍にあっても経済を回す取り組みを力強く、決してひるまず、諦めずに進めたことによりまして、多くの方々に学ぶ場所、働く場所、生きる場所として「選ばれる青森」が実現の方向に着実に進んでいることを改めて実感することもできたところであります。
一方で、人口減少克服をはじめ、若者や女性の県外流出、労働力不足、超高齢化時代の到来、平均寿命・健康寿命など、本県が抱える諸課題については長引くコロナ禍等により一層複雑困難化するとともに、これらを取り巻く社会経済情勢や価値観も大きく変化をいたしております。私はこれに対処していくためには、この3年間、耐えに耐え抜いてきた観光や販売に思い、改めて力を入れ、各方面とのつながりを再び強化し、思いっきり稼ぐという思いで力強く経済を回す。交流自粛や外出控えなどにより深刻化した孤独孤立や健康の問題、頻発・激甚化する災害などからしっかりと日々の暮らしを守る。急速に進展するデジタル化社会にしっかりと対応し、あらゆる分野で連続化による変革、すなわちDXを進めるそういったことが重要と考えておりましたが、これらに取り組んでいくための基盤をしっかりと固められなければいけない。その思いと同時に、その実行に当たっては、これまでの取り組み成果を生かしつつ、新たな感性や新たな感性や新たな知見を取り入れることも必要なことではないかと、その思いが脳裏をよぎっておりましたのも事実であります。
これまでの5期20年で築き上げてきた強固で揺るぎない基盤のもと、成果が表れている分野はしっかりと維持拡大するとともに、本県が抱える諸課題に対しては繰り返しとなりますが、新たな感性やさらなる知見も取り入れながら県政を着実に前へ進めていく、そのためのつなぎを私としてはつなぎを果たすこと、これが今の私の知事としての大義であり、一つの区切りを迎えるべきである。その思いに改めて至り、今期5期目当初から心に決めておりましたが、コロナ禍により様々ありましたが、そのつなぎを果たすことができるということを、自分自身感じることにより、このたびの退任いたしたいという決断をした次第であります。