青森県内の110番通報を一手に引き受けるのが、青森県警察本部の「通信指令室」です。県民と警察をつなぐ最初の窓口であり、迅速かつ正確に情報を収集する重要な役割を担うその最前線を取材しました。

※県警察本部通信指令課員
「緊急110番警察です。事件ですか事故ですか」
※県警察本部通信指令課・工藤賢太郎通信指令長
「もしもしいま腰を痛めていると言いましたが救急車の必要性はありますか?」
緊迫した電話に応対しているのは警察官です。ここは青森県警察本部にある通信司令課。県内の110番通報は、全てここにつながります。
※県警察本部通信指令課 木村智通信指令官
「110番通報者の電話に対していち早く対応して、早期に現場に警察官を向かわせることが役割で、365日年中無休で24時間体制で対応することが仕事です。」
通報への対応は電話を受け取る受理担当と現場の警察官に指示を出す無線担当が2人1組で行います。交通事故や事件など緊急性の高い通報だけでなく、さまざまな電話がかかってきます。
※通信指令課員
「もしかしたら足の骨を折ったのではないかとのことですか…救急車を呼びたいということですか?」「娘さんからいなくなったと110番があったんですけど、銀行に行っていたんですね」
実は、“いたずら”や“間違い”も多く…
※通信指令課員
「もしもしこちら警察の110番です。間違いですね確認で折り返しました。」

青森県内では2022年、11月までに4万4201件の110番通報があり、約20%にあたる9524件がいたずらや間違い電話でした。こうした緊急性を要しない電話を含めて1日平均120件、12分に1件のペースで通報が入る指令の最前線。食事の時間も気を抜く暇(いとま)はありません。
※通信指令課員は
「警察官は食べるの早いと思いますよ。噛まずに飲む技を身に着けている」「110番に電話することは人生でそう何回もないこと。警察官との一番最初のつながりの部分を担っているのは、責任重大でやりがい。」

2022年10月には、全国一斉に「110番映像通報システム」の試験運用が始まりました。この新たなシステムは、通報した人が目の前の現場の映像を司令室に生中継できます。

スマートフォンに警察からURLが届き、指示に従って操作すると現場の撮影が可能になります。撮影している映像は通信指令室に映し出され、警察は、より迅速に正確に現場の状況を知ることができます。




2023年4月の本格運用を前に、県内では11月末までに24件の運用実績があります。
※県警察本部通信指令課 木村智通信指令官
「映像によって現場の状況が手に取るようにわかる。物損事故の当て逃げの相手を撮影したり、暴行事件の被疑者の画像を撮影したりかなり活用している。」

新たなシステムの運用も始まった通信指令課。事件や事故をいちはやく解決するためにきょうも迅速で正確な対応を続けています。
(スタジオ)
※キャスター
私たちのスマートフォンが事件や事故の捜査や解決にひと役買うことができるんですね。さて、110番の回線には限りがあり、こうした新たな通報システムを有効活用するためにも適切な利用が求められています。事件や事故に遭遇した際にはためらうことなく110番通報をしてください。一方、緊急性のない相談や困りごと、要望は、警察の相談電話「#9110」へ電話する方法もあります。平日の午前8時半から午後5時まで受け付けています。















