青森の冬。雪と寒さには一向に慣れないものです。そんな中、寒さに立ち向かうように働く人、それが除雪作業員のみなさん。特に除雪車両の誘導員は、周囲の安全を確保するため長時間冷たい風に吹かれながら仕事に励んでいます。
彼らに話を聞けば、冬に役立つ防寒対策がわかるかもしれない!ということで、除雪作業員の方から、寒さに打ち克つ秘訣を学びます。

除雪作業員の方々の防寒対策は?  除雪作業の誘導

■除雪作業現場の防寒対策は?

厳冬の某日夜9時すぎ、青森市の(株)西田組です。西田組は、土木工事、建築工事の会社で、青森市内の除排雪などを請け負っています。

   株式会社 西田組(青森市) 除雪作業員のみなさんが出勤しました 検温、アルコールチェックなどの体調確認

■誘導歴20年以上の主任にきく防寒対策

西田組土木部主任 佐藤旭さんは、誘導員歴20年のベテランです。佐藤主任に防寒のコツをききました。

佐藤主任にききました

Q.防寒対策で一番気をつけてることって何ですか?
※佐藤主任「首元から風が入ってくるのでまず首元、そして手が冷えるのでしっかりとした手袋を使用することです」

佐藤主任の防寒グッズを見ていきましょう。アイテムが少なめのような気もしますが、いえいえ、これが作業がしやすく防寒のポイントを押さえた装備なんです。 除雪作業のための装備

ポイントは3つ。まずは足元。靴下の上に靴下カバーを履いたり、防寒ズボンを2枚重ねてはいたりするなど、重ね履きで空気の層を作り熱を保ちます。続いて首元。ネックウォーマーで冷気を遮断し体の熱が逃げないようにします。そして手袋。中がボアになっているなど、保温性に優れた素材のものがおすすめです。 重ね履きする靴下と防寒ズボン2枚ネックウォーマーで冷気を遮断する手袋は中がボア素材になっているものがおすすめ

■防寒対策の効果は?除雪作業に密着

しかし、本当にこの装備で寒さを乗り切れるのか?防寒対策の効果を確かめるべく、除雪作業に同行することに。ロータリー除雪車からダンプへ雪が積まれます。

■除排雪作業の3つの工程

そもそも除雪の工程は「寄せ雪」「幅出し」「排雪」にわかれます。この日の作業は「排雪」ロータリー除雪車で雪を飛ばしてダンプに積み込み、雪堆積場へ運びます。

歩行者や対向車、後続車に気を付けながら除雪車を誘導したり、この先どんな道になっているのかを作業スタッフに伝えたりと、誘導員の仕事は多岐にわたります。かつ、氷点下1度を下回る極寒の中、長い時間の立ち仕事。大変ハードなお仕事です。どんなところが大変なのか、佐藤主任に伺いました。

「そこの入り口、段差サ、なってまるな」(そこの入口、段差になりそうだ)と作業員に伝える佐藤主任誘導員歴20年以上の佐藤主任

※佐藤主任「やっぱ、距離歩く事ですかね。立ち仕事で足もパンパンになります」

この日佐藤主任が歩いた距離は約1.5キロ。作業終了時刻は決まっているので、丁寧、かつ迅速に作業しなければなりません。寒さと時間との闘いです。  寒さと時間との闘い雪道の安全が守られています作業終了の朝5時、犬のお散歩をする人の姿も

作業開始から7時間45分、ついに作業終了。佐藤主任は安堵の表情です。

※佐藤主任「道幅も広がって綺麗になってよかったと思います」                                                                  
長時間にわたる除排雪のプロたちは、的確で迅速な仕事、そして寒さに負けない準備をしっかりとしていました。防寒グッズの数々は、作業用品専門店やホームセンターなどで扱っています。10年に1度の最強寒波。寒さに負けないよう、できるところから取り入れてみてはいかがでしょうか。