デフリンピック陸上男子100mで、佐々木琢磨 選手は2大会連続でメダルを獲得しました。連覇は逃しましたが、青森県五戸町のヒーローは「家族の支え」と「故郷の声援」、2つの原動力で夢舞台を駆け抜けました。
100m決勝で出したタイムは10秒63。連覇を逃したものの、この記録は前回3年前に28歳で世界一となった記録を0秒12も縮めました。
それでも胸にこみあげるのは『悔しさ』でした。
佐々木琢磨 選手
「エストニアの選手とは今までを含めて、3回試合をしていて、3回チャレンジをして負けてしまっていたので、ただ、力不足だと思います」
日本短距離界のエースとして臨んだ晴れ舞台。日の丸を手にする息子に誰よりも声援を贈ったのは、スタンドで観戦した両親でした。
佐々木選手の母 まり子さん(70)
「琢磨くーん!」
佐々木選手の父 正名さん(70)
「悔しいんだ、やっぱり」
佐々木選手の母 まり子さん(70)
「悔しいんだよね…」
野球部がなく仕方なく始めた陸上。中学時代にリレーのバトンミスで敗れたときからいつだって『悔しさ』が原動力でした。
デフリンピックには2013年に初出場すると、2017年にはリレーで、そして前回2022年には個人で世界の頂点に立ちました。
『まわりの応援』、佐々木選手にとってこれがもう1つの原動力となりました。
18日は地元でも総勢45人の町民が集まり、声援を贈りました。
五戸町民
「次もがんばれ!」
「琢磨くん、まだある!がんばって!」
レース後、両親は佐々木選手と会って息子の覚悟を見ました。
佐々木選手の父 正名さん(70)
「さっぱりした顔が見れたからいい!OK!」
佐々木選手の母 まり子さん(70)
「切り替えて次の200mと400mがんばりましょう!」
佐々木選手も悔しさを押し殺し、次の戦いへの決意をにじませました。
佐々木琢磨 選手
「あと残り200mと400mリレーが残っています。世界一を目指してがんばりたいと思います」
連覇を逃した悔しさ、そしてそれ以上にスタンドと故郷から贈られる声援。
その2つの原動力を胸に、佐々木選手は残り2種目で『世界一』を目指します。












