青森県八戸市は2023年、「みちのく記念病院」で起きた患者間の殺人の犯人を隠避した事件を巡り、病院へ行政処分の必要があると県へ報告しました。これを受けて、必要に応じて改善命令などの措置を講じることになります。

八戸市 熊谷雄一 市長
「(みちのく記念病院は)医師法第15条第1項に違反するものであり、健全かつ適正な運営および医療提供体制を確保するためには、同法の規定による処分を踏まえた違事項反の着実な改善が必要であると判断した」

八戸市の熊谷雄一市長は18日に開いた会見で、「みちのく記念病院」の違反事項が確認できたと発表しました。

「みちのく記念病院」では2023年に起きた患者間の殺人を巡り、当時の院長の石山隆 被告と、弟で医師の哲 被告が、犯人隠避の罪で起訴されています。

その後、市は病院に対して立ち入り検査をした結果、2点の違反事項を確認したということです。

違反事項は、医師のタイムカードを事務職員が実際の勤務時間と異なって打刻していたことと、これまでの立ち入り検査などで医師の勤務実態について「うその報告」をしていたことです。

このため、八戸市は18日、行政処分の権限がある県へ処分の必要性が認められたと通知しました。

これを受けて、県は18日、県議会常任委員会で内容を精査して必要な措置を講じていくことを報告しました。

処分がある場合は、改善命令や管理者の変更命令、病院の開設許可の取り消しの3つの中から決まることになります。

県健康医療福祉部 守川義信 部長
「殺人事件があったかどうかの話ではなく、ちゃんとした医療が提供できていたかに関して、疑問符はあります。いい医療を提供するためには、病院の意識は足りなかったんじゃないかなと」

一方で、医師の勤務実態で「うその報告」をしたなどとした違反事項2点について、病院側はいずれも否定し、「私たちは誠心誠意対応している」と話しています。