青森県十和田市の高校の牛舎で男子高校生が死亡した事故を巡り、遺族が損害賠償を求めて県などを訴えた裁判で、県側は事故の責任を認めた一方、損害賠償については否認しています。

訴えによりますと、事故は2021年12月、十和田市の三本木農業高校で行われた牛舎での実習中に起きました。

当時2年生だった水野歩夢さんのそばで牛が威嚇状態となったため、実習助手が鉄製の農具で牛を叩こうとしたさいに、水野さんに農具が刺さりました。

水野さんは意識不明の状態となり、2024年3月に死亡しました。

原告側は実習助手が農具を振り回せば、水野さんに接触することが予見できたとして、県と実習助手を相手取って約1億2500万円の損害賠償を求めています。

4日に非公開で行われた第一回口頭弁論で、県側は安全を確保する義務などに違反していたとして、事故の責任を認めました。その上で損害賠償については否認し、争うとしました。

また、実習助手側は「自分に責任はありません」と全面的に否認しています。

次回の裁判は、10月23日に開かれる予定です。