この1か月足らずの間に子どもの転落事故が相次いでいます。10月22日には東京・江戸川区で都営住宅の12階から転落したとみられる4歳の男の子が死亡。11月2日には千葉県千葉市でマンションの25階から転落して2歳の男の子が、5日には大阪府豊中市で4階から転落して4歳の男の子が亡くなる事故がありました。


※青森明の星短期大学 櫻本和也講師
「子どもの発達が自分たちの想像以上のものだということは認識する必要がある」


こう指摘するのは、幼児の発達心理に詳しい青森明の星短期大学の櫻本和也(さくらもと・かずや)講師です。現在の建築基準法ではベランダの柵の高さは110センチ以上と定められていますが、「恐怖よりも好奇心が勝る」とも言われる子どもに対し、これだけでは決して安心はできません。


東京都が、110センチの手すりを何歳から乗り越えられるか検証したところ、4歳児の約7割が登り切ることができ、中には、15秒で登り切った2歳児もいました。


消費者庁は、ベランダに踏み台になる物を置かないことや窓の子どもの手が届かない位置に「補助錠」をつけるといった環境づくりのほか、小さな子どもだけを家に残して外出しないことや身を乗り出すと転落する危険性があると教えることを呼びかけています。


※青森明の星短期大学 櫻本和也講師
「子どもを未熟な存在として見なすのではなくて、子どもの育ちに喜びつつ、その半面、子どもの発達に潜むリスクを再認識していく必要がある」


八戸市は、11月中にも3階建て以上の建物にある市内約2000室の住民を対象に注意喚起を呼びかけるチラシを配る予定です。


※八戸市建設部建築住宅課 坂本英邦 課長
「不幸な事故が起きてしまって非常に悲しい思いと、もう二度とこういうことが起きてはいけないという気持ちを新たにしているところでございます」


尊い命を守るため、いま一度、子どもの安全を見直すことが事故を防ぐことにつながります。